長年、サッカー界が抱えてきた課題をブロックチェーン技術が解決しているという。観戦チケットのダフ屋行為やサポーターのエンゲージメント向上、さらに選手の給与の支払いにも活かされているというのだ。
9月、フランスの名門クラブ『パリ・サンジェルマン』はマルタのブロックチェーン企業と共同で独自の仮想通貨を作ることを発表したが、続いてイタリアセリエAの『ユベントス』も同樣の発表を行った。両クラブのサポーターはクラブ発行のトークンを購入することで、投票権や限定コンテンツへのアクセス権、特典を受ける権利を得られるようになるという。イングランドプレミアリーグの『アーセナル』は既にオンラインベッディング
で使用できる仮想通貨を米企業と共同で発行する計画を発表済みである。
チケット販売に関しても、欧州サッカー連盟(UEFA)は8月に行われた『レアル・マドリード』対『アトレティコ・マドリード』との試合でブロックチェーン技術を使い、チケットをすべて携帯電話経由で販売し、偽造防止に努めた。
『ジブラルタル・ユナイテッド』ではもうすでに選手の給料を仮想通貨で支払っており、トルコの『ハルヌスタスポル』にいたっては移籍金も仮想通貨で支払っている。『ジブラルタル・ユナイテッド』のオーナーは「ブロックチェーンはサッカー界に透明性をもたらす」との考えを示した。
他、ブロックチェーンをビッグデータ分析と組み合わせてスター候補の発掘にも使える可能性があり、取り組み始めたクラブがあり、欧州クラブ協会(ECU)は「200人のスカウトを各地に派遣しなくても、データベースを通して有望な選手を見つけ出せるようになるかもしれない」と話している。
ちなみに、世界のスーパースター『バルセロナFC』のリオネル・メッシは昨年末、イスラエルのスタートアップ企業で、ブロックチェーン技術を用いて安全性の高い携帯電話を開発した『シリン・ラブス』のブランド親善大使に就任した。