3月22日、トランプ大統領は中国による知的財産権侵害等に対する中国製品への制裁措置を発動する大統領令に署名し、中国製品に25%の追加課税を課すことを発表した。中国もすかさずアメリカからのワインや豚肉に対する高関税で対抗し、他、そのためのアメリカからの輸入品リストも発表。そんなことでは怯まむトランプはさらに中国からの輸入品リスト1300品目を公表して応戦。習近平もそれに負けじと大豆などの農産物や航空機などに対する追加関税措置を繰り出す。もうここまでくると貿易戦争の勃発か……。トランプは重要な国益を支える農業への影響を懸念した。8日のツイッターでは「中国は貿易障壁を下げるだろう」と楽観的な呟きでいったんかわし、エコノミストたちも「米中は妥協点を見出すだろう」と予想した。少なくともまだ貿易戦争への導火線に着火していないが、トランプは何が起ころうが「習近平は常に友人であるだろう」と公言もしている。この発言の真意は図りかねるが、ただ、今回の措置の背景にあるのは対中国貿易赤字の拡大である。これはそもそも1800年代以降、中国は鄧小平による改革解放路線が西側諸国を幻惑させ、人権問題や対外侵略に目をつむらせて経済関係を強化してきた。アメリカでも対中国貿易で旨味をしめる企業や投資家の政治に対する影響力が中国を野放しにし、それに乗じて中国は為替操作や産業スパイなど不公正な手段で輸入を拡大させてきたわけである。トランプの今回の追加関税措置はそんな世界戦略を目論む中国を牽制する意味で価値のあるものだった。APCUは最新のトランプ政権内部の最新の動きや情報にアンテナを巡らせる。