去る4月3日は私達にとってまさに歴史の幕開けとなった日だ。日本時間の13時、ついにLibertyの取引が開始されたのだ。読者の中にはJCPAC2018の参加者もいるだろう。立ち見客まで出たあの大会場で運営側が「新たな仮想通貨を作り、市民の自由な意思決定権を保護する!」「Liberty Eco Systemこそが独裁政治に対抗できる強力な武器となる!」と所信表明し、大きな拍手喝采が沸いたのを覚えている人も多いだろう。あれからたった半年で有言実行してしまった。いや、もはや有言実行以上の結果になっている。
■初値から30倍以上の高騰
単位はLES。ピンときた人も多いと思うが、LESはLiberty Eco Systemの略である。さて、1LESの初値は1.5USドルとまずまずの出だしだった。ところが4月5日夕方現在はすでに32ドルに跳ね上がっている(!)正直なところ、運営側としてもここまで市場の関心を集められるとは非常に嬉しいサプライズだ。同時にここまで大きな信頼を集めたことに一層背筋が伸びる思いでもある。イデオロギーをベースにした仮想通貨であることをパブリックに宣言した事実を、私達は今後も肝に銘じて邁進するのみである。
■高値のカギは 絶大な信頼と高流動性
では、どうしてこれほどにも人気が出たのか?今回上場を果たしたのはCross Exchangeというアゼルバイジャン共和国でライセンスを取得した取引所だ。この取引所の運営開始日はちょうどJCPACが開催された2018年11月だというから、Libertyとの運命すら感じてしまう。Cross Exchangeは取引所の収益をユーザーに還元するシステムを採用している。その結果どのようなユーザーが集まりやすいかというと、当然ながら、投資意欲があり信頼を重視するタイプのユーザーが集まりやすくなる。取引手数料に応じてXEXトークンが与えられ、それを保有しているだけで取引所の利益から配当がもらえるという仕組みは株主が配当を受けるのと似ており、仮想通貨初心者にとっても馴染みやすく映ったことだろう。そして、Cross Exchangeは取引所としての流動性といった観点からも高い状態にあった。よって、他の取引にも投資していた投資家達はLiberty上場にも敏感に反応し、Libertyの価格に影響を与えた可能性もある。それにしても、30倍の値に跳ね上がるほどの注目度、それを下支えした流動性のハーモニーは、世界中の市場関係者を唸らせてしまったようだ。Libertyはもともと保守派イデオロギーの産物だが、保守政治にそこまで興味関心がなかったような人達のTwitterやブログ等でも、Liberty高騰の話題が飛び交っている状態である。
■仮想通貨の信頼回復基調も味方か?
そもそも「2019年は仮想通貨の回復元年になる」との旨をブルームバーグなどで述べていた投資家やアナリストがいたことは、以前このニュースレターでお伝えしたと思う。仮想通貨取引における安全性の問題、ホワイトペーパーで謳っていた内容と実態が違い事件化したことなどが次々と報道された2018年は、仮想通貨業界の膿を出した一年でもあり、ネガティブなイメージに連動してコイン価格が暴落した一年でもあった。このように、非常に逆風が吹き荒んでいた2018年に私達は果敢にもLiberty Eco Systemを提案し、新たな仮想通貨の誕生を大観衆の前で説明した。仮想通貨イコール金の亡者との勝手な妄想を吹聴する人もいるようだが、仮想通貨の1つであるビットコインは人権擁護を目指した最も現実的かつ基本的な使用例として、貧富の差が大きい東南アジアの経済学者などの間で注目されてきたのである。この事実を日本在住者はあまり知らない。私達は日本のマスメディア等がどんなにネガティブ情報を際立たせて報道しようとも、やはり基本に立ち返ることを忘れず、市民の自由な意思決定権の保護を念頭にLibertyの上場に向けて着々と準備し続けてきた。多くの膿を出し新年を迎えた2019年春、ようやく世論も冷静さを取り戻している。仮想通貨は、信頼性の高い取引所を選び安全性の高いブロックチェーン技術で守るなどの条件をきちんとクリアしさえすれば極めて安全で投資価値のあるアイテムであり、市民に豊かさと自由をもたらすエンジンになる。こうした信念(イデオロギー)が一度たりともぶれなかったこと、そのぶれない姿勢に多くの人達が賛同したこと、世界中で信頼されている財界人達からの指示を得たうえで上場できたこと、流動的な市場を選択できたこと、勝手なネガティブイメージが払拭されたタイミングで歴史の幕開けを迎えられたこと。Libertyはあらゆる好条件を味方にスタートできたのである。